ウェディングの花の演出とブーケ。たった一日の花、でもいつまでも残る花を。
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![]() ![]() この紫色の、花弁の多い不思議なバラは「リベルラ」といいます。 今日は長文になりますので、 一会にブーケを頼んでくださる方に知っておいてほしいことを こちらの記事にまとめて、続きは読みたい方だけ・・・という二段階方式です。 私がよく使うバラ、「トワカップ」や「J-ヒーリング」、 そしてこの「リベルラ」などのバラは、花びらに茶色いしみの出やすい品種です。 専門用語では「ボト」といい、薄く華奢なバラに現れることがあります。 一会では、ボトが出るかもしれない可能性も踏まえて 時間を逆算しながらブーケや装花を制作していますが もし万一、花びらにしみがあって気になるという場合には、その花びらだけ そっと指でつまんで取り除いていただければと思います。 この件に関して、生産者であるファインローズ、原さんとのメールの やりとりをしました。いただいたメールがあまりにも胸をうつようで、 多少プライヴァシーに触れないよう編集していますが 許可を得て、ほぼ全文を掲載させていただくことにしました。 もし長すぎる場合には、途中をすっとばして最後のメールだけでも 読んでいただければと思います。 なお今回メールをいただいた原園芸さんのブログはこちらです。 薔薇と野獣 http://blog.livedoor.jp/piaget1980/ まずは最初に私が書いたメールです。 きっかけは、ある新婦様からのお言葉でした。 この新婦様にもこの後たくさんメールをやりとりさせていただいて 本当に感謝しております。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ (前略) 新婦さまよりのお言葉に 「ブーケはとてもよかった、でも2輪、周囲の花弁が腐ってしまった」というような 表現があり、まだ品種は確認していないのですが、 おそらくイングリッシュアイズではないかと。 できれば今晩か明日にでも、お電話して説明してみたいと思います。 またブログにも、この花のしみのことを一言説明しようかと 思うのですが、どう御説明したらいいか まず私も勉強してから、と思いまして それで先ほどお電話さしあげました。 以下、私自身の感覚ですが、 ファインローズさんの花で花弁の薄いものは やはり花に茶色いしみ(ボト)が出やすい。 入荷して3日目くらいから出る。 トワカップやJヒーリング、リベルラなどはとくに大きい。 イングリッシュアイズは花弁がどろりととけることがある。 逆にペクトルやロマネスクなどは本当に恐ろしく長くもつので これは、現状では、トワカップなどのような花弁の華奢な花の 特性なのだとして理解している。 一会としては、そういう茶色いしみが出るのも了解し、 織り込み済みでブーケに使用している。 私自身もだいたいどのくらいで茶変していくか 手で測りながら、花嫁様がブーケを持っている間はそのしみが でないくらいで考えて作る。 ただ、日中は大丈夫でも、式後、夜もしくは翌日になると出るかもしれない。 なので、遠方に発送する場合にはその旨をメモをつけて 茶変の可能性があるので、もし気になる場合は 一枚そっと花弁をとってくれと伝えている。 もし、ブーケを立体保存の3Dブーケにする場合には、 一会で3D加工を受ける場合には ブーケは一度一会に送ってもらって 最終チェックしてから加工にまわす。 という説明を、ブログでしたいと思いますが、 もしそれは違う!ということがありましたら 御指摘いただければ・・・と思います。 もしこの説明でよろしければ、ブログにて なるべく上手にみなさまに説明できれば、と思います。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ お返事はこちらです。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ イングリッシュアイズの件は、岩橋さんのご理解の通りです。 この品種は出荷段階までは全くボトが出て来ませんが、 花弁があまりにも薄いので、輸送中やその後の状況如何によっては、 茶色く変色し、ドロりと溶けてしまうものと思います。 申し訳ありませんが、花弁が薄い品種なので、晴天を願う以外、ウチでは対処の仕様がありません。 リベルラも花弁が弱過ぎますね。正直なところ、出荷段階で傷が付いてしまっています。リベルラは流通レベルの切花としては弱点が多過ぎで、こうやって存在していること自体、ある意味奇跡的かと思います。買っていただく花屋さんのおかげですね。夏場が怖いです・・・。 J-ヒーリングやトワカップあたりは雨でも降ろうものなら、ほとんどボトになっていまいます。秀品率が非常に悪い品種です。これらの品種も手の施しようがないです。 その他で、ウチの品種でボトに特に弱いのはホワイトロマンス、アンジェリークロマンティカ、イエローセンセーション、バニラ、ラ・カンパネラ、ローズオールド、ジプシーキュリオーサのグリーン辺りですね。基本的に白やピンク、紫、黄色系がボトに弱いです。梅雨時季は嫌ですね・・・。 ボトは湿度100%以上の状態が数時間続くと発生します。ボトの菌自体は空気中にうようよしているので、雨が降る前日などに根気強く毎回消毒し、空気中の菌を減らしてあげたりすると多少はボトの発生率を下げられます。あとは湿度100%の状態を極力長時間続かないよう、換気したり除湿したりしなければいけませ ん。それでも完璧に抑えるのはまず難しいと思います。無菌状態には出来ませんから。 ボトに侵されていたとしても、出荷段階で見分けがつく品種とつかない品種がありますし、数日経ってから症状が出るものもあります。 一会さんの、茶色いしみが出る事も織り込み済みでブーケ作成等を成されるという話し、生産者の側としてはやっぱり凄く嬉しいです。ボトに弱い、花弁が弱い、花保ちが悪い、水が下がり易い、散り易い等々、欠点はあるけれども、それ以上に素晴らしい魅力をもつ花達を、むしろ積極的に作っていきたいと考えているので 、その辺を理解して使っていただいているのは心強いですし、励みになります。ありがとうございます。本当はボトなどが出ないように作りこなさないといけないんでしょうが・・・。新婦さんなどからのクレーム対応等、とても大変だとは思いますが、今後もイングリッシュアイズやトワカップを懲りずにお使い下さい。よろしく お願いします。 「これはあまりにも酷い」「この品種はとても使えない」等がございましたら、 またご連絡下さい。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ そしてまた岩橋のメール。 一部「アシさんを叱らねばならず」などなど セキララなことも書いていますがまあいっか、と思ってこのまま掲載。 ざっぱすぎです。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ こんにちは お返事を本当にありがとうございました。 こうした内容をお伝えするのは 多少なりともやはりショックをうけられるのではと思いながら 悩みながらも書いてみて本当によかった、と思いました。 お忙しい中、丁寧に、真摯なお返事をいただけたことに、感謝しています。 (ここのところ私も、ハードなスケジュールで多少ばてていて、 しかし今日もアシスタントを叱らねばならず、 そして叱りすぎて自分もへこんでいたので、 メールのお返事を即座に丁寧にいただけたことに なんだかとても救われました・・・笑) 今回の新婦様にはその旨、説明してみます。 そして、もしも、差し支えなければ頂いたメールのやりとりを抜粋して 一会のブログで記事として紹介してもよろしいでしょうか? 私一人で読むにはもったいないように思いました。 ファインローズさんの作り手としてのこうした思いを、 実際に手にしてくださる新婦様に少しでも多く伝えられたら、と思います。 これまでの一会の記事を読んでくださって、 トワカップはじめ、ファインローズさんのこのバラでぜひ、という 新婦様はとても多いのです。 私自身と同じように、欠点といわれそうな部分もちゃんとわかってくださって、 それでもなお、たった一日、一生のうち一日だけのために咲くそのバラを 美しい、と思ってくださったら。 そう思います。 一般の方が花を買う場合、「花もちがよいこと」、という要望は 確かに強くあると思います。 私自身もその気持ちは、きっとそうだろうと、よく分かります。 花の値段は高く、たとえばお菓子やフルーツを買うよりもずっと高く、 であれば一日でも二日でも持って欲しいに違いないと思います。 でも、それはそれでとても大事なこと、 そうした一般の方の要望に近づけることもとても大事で、どうやったら折り合っていけるのか、コストも花もちも、そう考えることは非常に必要なことなのだろうと思います。でも一方で、今回いただいたメールには深く共感しました。 おっしゃるように、リベルラは本当に確かにこの弱さで流通していることが 奇跡のようだという意味はよく分かります。弱いバラです、確かに・・・。 それでもあのバラの、 あの「美しさ」は、どうしてもほかに類がないというか・・・・ あの香りにはじめて接した時の感動は、その一瞬でしかもう味わえない。 そう思います。 それはきっと、「生きている花」にしかもちえない魅力なのだと思います。 「長くもつ」ことを追求してきわめるなら、プリザや造花になるほかない、 でもそれは生花とはやはりどこか違う。 プリザとして、造花としての美しさ、別の魅力はありますが、 生の花と、プリザーブドはまったくの別物です。 花を生産する、美しい花を生産するということがどれほど大変なことか、私には想像するほかありません。 せめて皆様にその魅力をお伝えすることくらいしかできませんが・・・。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ そして、今回一番、皆様に読んでいただければと願う 原さんからのメールです。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 心のこもったメール、ありがとうございます。 読んでいて、凄く嬉しくなりました。 僕も昔、プリザーブドを作っていたことがありました。 でも何か心にひっかかるものがあって(面倒臭いというのもあります 笑)、 生花一本に絞ることにしました。 (中略・生花を作るということについて) 日持ちがいいからとか 水揚げがいいからとか咲ききるからとかそんな理由じゃなくて、口に出して言うのは難しいけれど何とも言えない魅力がある、そんなバラを求めている花屋さんが買って下さってるという思い込みをしていましたし、そうであればいいなと思ってました。 岩橋さんがおっしゃった様に、長くもつことが大事なら、生花じゃなくてもいいじゃないか。造花を使えばいいじゃないか。そんな風にも考えたくなりました。 生きている花だからこそ、欠点だってあるのに。 花弁が弱いから、すぐ咲き終わるから、生産性が悪いから。 そんな理由でやめた品種、作らなかった品種がいっぱいあります。 でもそういった品種ほど、他にはない独特の魅力を持っていました。 「このバラを世に出したい」「みんなにこのバラと出会って欲しい」 流通ベースには乗らないかもしれないけれど、凄く魅惑的な品種が世の中には星の数ほどある。その内の一つでも多くの品種を、みんなに見せたい。 「ウチが作らないで、他の誰が作るんだ!」 そんな思いで(単なる思い上がりかもしれません)、品種を選び、作っています。 僕や親父がその薔薇との出会いで得た感動を、他のみんなにも感じてもらえたら、それが連鎖していったらどんなに素晴らしいことだろう! そんな風なことを時々思ったりしています(笑) 何だか取り留めの無い感じになってしまいました。何を伝えたかったのか、 自分でも訳が分からなくなって来ました。どうもすみません。 ブログ掲載の件は別に構いませんよ。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ この原さんからのメールをいただいて、 のどもとまで何かがこみあげるような思いでした。 生きている花ゆえの弱さ、そして美しさ。 それはある意味人生みたいなものにも似ているかもしれません。 昨日私が書いた、「作り手の思い入れなどどうでもよいこと」 というのは、本心で、そう思います。 でも作り手の思いが無い花に 人の心を動かすことは、できないのではないか、 とも、心から思います。 では皆様今日もお疲れ様でした。
by ichiecd
| 2007-05-16 00:38
| carpe diem
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