ウェディングの花の演出とブーケ。たった一日の花、でもいつまでも残る花を。
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7日から12日まで岩橋がフランス出張の為、毎日一人ずつピンチヒッターで記事をお届けしています。
「惜しげもなく」 一会のことを考えたとき一番初めに思い浮かんだことばです。 本業のウェディングの仕事はもちろん、レッスンのときもしみじみ思うのです。 レッスンで使うお花、資材も本番さながらです。 一会のレッスンは毎回本番と同じなんです。 ブーケホルダーは毎回新品のもの、ブーケの裏の処理もブーケホルダーやオアシスが見えなくなるまで。ボンドもたっぷり。習っている私の方が“もったいないから「本番はつかう」ってことで今日はこっそりつかわないで封切らないで棚に戻しておきたい・・・”なんて思っちゃう。 フランス製のリボンも「あそこから好きなの選んで」 オアシスを埋めるためにバラの葉っぱもいれて、なーんて言いません。 もしデザインとして緑が必要ならば別のグリーンが用意されています。 「もの」も「技」も「知識」も惜しげもなく与える。 本番の仕事はもちろんこれ以上だと思います。毎回全力投球、その一瞬一瞬に「惜しげもなく」情熱をそそいでいるのを感じます。 --------- このブログでも一度紹介してもらったエピソードですが、やはり 「私にとっての『一会』」というと、このことを思い出すので書きたいと思います。 《人生で一番おいしかったゆず茶の話》 夏、友人のブーケをつくりました。 私のつくったブーケだけを持つとのことで責任重大、緊張です。 会社を午後休んで急いで白金のアトリエへ。 セミキャスケードのホルダーブーケ そしておそろいのヘアードとブートニアの製作。 式は16時からでしたが写真撮影があるので15時過ぎまでには持ってきて欲しいとのこと。 ブーケはなんとかできあがって、初めて時計を見ました。顔面真っ青。予想以上に時間が経っている!でもヘアードとブートニアもつくらねば!!全身の血がさーーーーっとひいたのを感じました。 ワイヤリング、テーピングをしているとき、手が、指が震えだしました。 間に合わなかったらどうしよう!でもやらなきゃ!でも時間が!! でもでも思うように指が動いてくれない!! 岩橋さんが「時間大丈夫?」と聞いてくれているのも上の空。答えてるひまない! いつもはあったかい指が冷たくなってそれがますます焦りをよび震えてうまくテープが巻けないよ・・・涙。真夏なのに寒気すらしてきました。 やっとのことでできあがって、岩橋さんに手伝ってもらってラッピング。でもそのときのことなんて覚えてません。 たぶん幼稚園児が保母さんに準備を手伝ってもらってる感じだったと思います。 アトリエから白金台の駅までがこんなに遠く感じたことはありませんでした。 いつもはレッスンでつくったブーケを何度も何度も眺めながらの幸せな帰り道なのに・・・。 しばらくとおりを眺めて、タクシーで行くか電車で行くか迷いに迷う。 渋滞にはまったら終わりだし・・・。 電車にかけよう! 帝国ホテルのある日比谷で降り、新婦が待っている控え室へ走る走る!! 泣きそうになりながら、まじめに、真剣に思ったことは 「セグウェイが欲しい!」 あ、でもそんなの無理だから、だったら ローラースケートでもいいや。それか、子供がはいてるローラースニーカーがいいかな。 あれ、実はちょっとうらやましいんだよな。楽しそう。 あーーー!!もーーう!!どうにかして。 ↑ってなことを眉間にしわよせながら本気で考えながら走ってました。 今考えると道行くビジネスマンのおじさんたちが怪訝な顔で見ていたな・・・。 控え室についたとき、汗だくで髪もぼさぼさでメイクも全部とれて・・・。 私が着いたとき、新婦さまはちょうどヘアメイクが終わったときでした。 いつも以上にキラキラ輝いていてまぶしかった。 真っ白のウェディングドレス姿で人生最高に輝いている彼女と黒いTシャツで汗びっしょりメイク落ちまくりの私。 その2ショットったら・・・。 でもブーケを渡したときの友人の笑顔と驚きを見たとき、すべてがふっとびました。 言葉はありません。 しばらく放心しながら主役を眺めたり写真を撮ったりしたあと、また白金のアトリエへ。 「おかえり~」 岩橋さんが笑顔とともにゆず茶を出してくれました。 それが・・そのゆず茶が「おいしい・・・・」 それがどんなにおいしいか言葉に出して説明したいんだけどうまく言えない! 「おいしいです。すっごくおいしいです!」何度も同じことを訴えるように言ってしまった。 彼女が喜んでくれたこと、笑顔を見たとたん本当にうれしかったこと、たぶんそれをカタコトの日本語で(?)岩橋さんに説明してたのですが、それをうんうんと聞いて一言。 「そういう風に思えた人が一会の生徒さんでよかったぁ・・・」 それを聞いて、なぜだか涙があふれてきました。 ゆず茶を一気飲みして涙をごまかしてふーーっとため息をつきました。 そのときの岩橋さんの表情が忘れられません。 私はお金では決して買うことのできないおいしいゆず茶を飲んだのだと思います。 それはまぎれもなく、私にとってたったひとつの「一会」でした。 あの、新婦の笑顔とありがとうはくせになります。麻薬です。 岩橋さんは間違いなく麻薬中毒者(しかもかなり重症)のひとりなんだと思います。 そして、それに「プロ意識」「責任感」という要素が加わって、一会のすべてができあがっているのだなぁ、と実感します。 そして私も実際自分のweddingでブーケをつくってもらいました。 そんな「麻薬中毒者」のつくってくれたブーケには完璧な仕事のなかに「癒し」がありました。 ブーケを見ているだけで、お花たちに「惜しげもなく」愛をそそいでいる岩橋さんの姿が目に浮かんだのでした。 長くなりました。 読んでくださってどうもありがとうございます。
by ichiecd
| 2006-02-11 11:59
| carpe diem
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ウェディングの花
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