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ウェディングの花の演出とブーケ。たった一日の花、でもいつまでも残る花を。
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コップ一杯の仕事
コップ一杯の仕事_a0042928_19361226.jpg

2014年の花嫁様から頂いた写真です。

今日は、

長くなるよ。
予告したよ!

それは昨年夏、連日35度続きの、猛暑日のことです。
昨年の夏は、ほんと暑かったですよね。

結婚式ではなくて、ある法事の折の出来事でした。
自分は、主催の側でした。

参列者が到着して、
会場のスタッフさんは、さっそく
熱い緑茶を出してくれました。

熱い緑茶…
ちょっと待って!?


80代のご夫婦。
年寄りの足では、ホームから会場まで10分はかかる。
しかも夏服とはいえ、喪服。
飛行機の距離をきてくれてました。

自分は、会場の目の前まで車でしたが、
降りて歩いた数メートルで、もう汗がふきだすほど。

そんな猛暑日に、熱い緑茶?

「冷たいお茶はないんですか?」
「ないんですよ」。

ちゃぶ台ひっくり返しました。

そこから3分とかからない入口には、
冷たいお茶がポットで置いてあり、
それどころか、今時のしゃれた無料のドリンクサーバーも設置されてる。
緑茶どころかコーヒーも紅茶も、何種類も飲み放題。
人手が足りなかったわけでもない。
数人が準備のために待機してくれてました。

ただ、今までそうしてたから、そうしただけ。

客には、熱い緑茶を出すように言われてたから。

自分たちは、冷房の効いた室内で別に暑くはなかったから。

だから、35度の気温の中、
10分以上を喪服で歩いてきた老人たちへ、
熱い緑茶を、お盆でさし出す。
にこにこと。
笑顔で。


もともとその法事の会場は、
位牌を直接、そのまま紙袋に入れて渡したり、
焼香の順番を間違えたり、花の札の名前を間違えたりと
ポカが多かった。(これポカっていうレベルなのか?)

ええ、その場でちゃぶ台ひっくりかえしましたとも。
しばらくして
「冷たいお茶がご用意できましたから!」。
って、当ったり前だーーーー!

建物は、本当に立派なのです。
今時の、都心のマンション式の納骨堂。
で、悪気はないんです。皆さんいつも親切そうな接客なのです。
言われた通り仕事をしてるだけで、
何も、悪い人たちではないんです。


話はかわって、それから数か月後のこと。
自分は、母を連れて久々に温泉に行きました。

食後、母が薬を飲むと言ったので、
スタッフの女の子を呼び止めて、
「お水をください」と頼みました。

彼女は、母をちらっと見て、
「お薬ですか?」と言います。

「そうです。あ、私もお水ください。」

今度は私を見てにっこりと、
「はい、では常温のお水と、お客様には冷たいお水ですね?」

すっ・・・
すごい!!!!

なぜならこの時点ではまだ、母は
薬をテーブルの上には出してませんでした。

たった一言で、相手が必要としているのは何かを、
想像して、
推し量って、
正解を笑顔で差し出す。

これぞ  O・MO・TE・NA・SI !!!

私は、自分がサービス業で、
似たような年の女の子にアシスタントにきてもらってて、
かつ筋金入りの旅好きなので、
サービスの基準は、相当に厳しいほうだと思う。

でもこの対応には、心底、感動しました。

ついでに言えば、彼女はアジア系の名札に「研修中」と
書かれておりました。
つまり、経験でも言葉でもない。

たった一杯の水でも、
良い仕事はできる。

こちらは名前を書いてもいいと思うので、これは
四万温泉の、たむら、という旅館です。
温泉も、食事も、驚くほどよかったです。

けれども、昨年良かったからといって
今度もよいとは限らない。

それだけ、いい仕事をいつもする、ということ、
そして
いい仕事を、毎年、毎日続けていくことは、

難しい。

だって。毎年毎日何かがあるんですよ。
やれ○○が故障した、××が遅れた、△△が風邪を引いた。
自分もまた人間で、
365日あれば、コンディションが極めて悪い日は数日はある。

毎年毎月毎日、すべてのお客様に、いい仕事を差し出すということは、
難しいというよりも、もう不可能だと思う。

ってわかってても、いや、だからこそ。

今度も油断せずに
いい仕事を差し出そうと思って、努力すること。

365日、せめて自分のコンディションをよく保つように努め、
故障した遅れたうまくいかなかった場合に備え、都度、手をうつ。
それが仕事というものだと思う。


だからね、
アシスタントさんへ、
たとえ自分がよかれと思っても、
相手が必要じゃないものを
差し出しちゃ、ダメなんだよ。

それはつまり、猛暑日の熱いお茶なんだよ。

私たちは、コップ一杯の水でも、いい仕事ができるんだよ。

毎週のようにお客様からいただく
深い深い満足は、その小さな仕事の積み重ねです。

ワイヤーひとつ、掃除ひとつ、運転ひとつ、
ひとつずつ相手の気持ちを考えて差し出せば、
その仕事には深く、感動される。


アシスタント奥沢マダムさんにこの話をすると、
その例えはわかりやすいからブログに書け!
と、激励された。
ので、時系列で、自分のことを書くの下手だけど頑張ってみた。

コップ一杯の仕事_a0042928_19162391.jpg

もう一つ別の話、
これは、元アシスタントさんが、先日持ってきてくれた
ダンディゾンのうまくいくクッキー。

「二度と、一会の名前を口にするなあっ!!」と
大げんかしましたが、
その後4年間、別のところで修行して、
その仕事をやめるときは、
一会に挨拶に行こうと思っててくれたらしいです。

修行してる間に、だんだん人を教える立場になってきて、
「一会にいたとき、いろいろ先生にうるさく言われてたことは
こういうことだったんだなって、何度も思った」
んだそうです。

「わたしは、アシスタントになれてなかった。
アシスト、できてなかったって思う」
と、ぽつりと言います。

自分は、本気で人より花のほうが大事って思ってたし、
そうじゃないんだなと分かった今も、
やっぱりちょっとそう思ってると思う。

だから、こんなに大事な花を、
それはつまり
こんな自分の花嫁さんへの情熱を、
小さな油断でポカにされることが我慢できなくて、

・・・あの頃ほんとに怒ってばっかりで、ごめん!

と、謝る機会をくれて、ありがとう。

自分のやりたいことが分かってきて、それに向かってやってみたい、
と話してくれる彼女は、
一会にいたときとは別人のようにしっかりしてて、
厳しいことばかりだろうけど、きっとできそう。

心から、応援しております。

冒頭のブーケの写真は、
コップ一杯の仕事_a0042928_19385826.jpg

その元アシスタントの彼女が装花を手伝ってくれたときの
花嫁さん。

コップ一杯の仕事_a0042928_19383438.jpg

可愛い花嫁さんだったなあ。


では今日もおつかれさまでした。


肩こった!長くなったー!

なお、最初の都心の法事会場のほうは、先日行ったら
色々な面が、劇的に改善されておりました。
「こいつはうるさい」認定されたせいも大きいでしょうが、
でもだからこそ、やっとブログに書けました。


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by ichiecd | 2019-04-10 17:26 | carpe diem
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